詐欺師の恋


「うーん…だよねぇ、花音にガヤルドは無理だよねぇ。」




メリッサも納得したように頷いている。




「花音ちゃんがアレ運転してたらちょっとある意味すごいけどねぇ…まぁ無理だよねぇ…」





隣でケイも頷いている。




「悪いけど、今私も抜けられないのよ。ケイ、あんたは?」




「俺?居なくなってもいいなら良いけど。」




「…タクシー呼びましょうか。」




何もあの車を持っていかなければならないこともないだろう。


私の提案に、二人の視線が集中する。




「その手があったか!」




一番最初に浮かぶんじゃないかな。



私は半笑いで二人を見返した。




「そうと決まったら、花音の鞄と零をタクシーに突っ込むから、あとよろしくね!」




メリッサがパタパタと駆けて行く。


私も慌ててその後を追い掛ける。




「零に大晦日のステージまで休みでいいって言っといて!」




ケイが叫んだのが聞こえて、私はちらっと後ろを振り返って頷いて見せた。