詐欺師の恋

「まぁ、体調悪いのも間違ってないから、ちゃんと見てあげてほしいけど、ね。あ、メリッサ。」





フォローのつもりなのか、お兄さんが悪戯っぽく言った所で、会場側からメリッサがやってきた。




「あんまり花音をいじめるんじゃないわよ、ケイ。」




メリッサは腕組みをしながら、お兄さん、いやケイをジロリと睨む。




「まさか!そんなつもりないよ。零に怒られるの目に見えてるし。」




ケイは両手を上げて降参のポーズをとってみせる。


それを横目で確認してから、メリッサは私に視線を移した。





「その零の調子が悪いの。いつもは朝まで付き合うんだけど、あれじゃ無理ね。帰らせた方がいいわ。それでね、花音。」




「は、はいっ?!」




メリッサは長身なので、少しかがんで私の肩をがしっと掴んだ。




「零は車で来てるんだけど―、運転はきっとできない。花音運転できる?」




できるけど。



免許は持ってるけど。





「あの車は無理です・・・」




絶対に嫌だ。