詐欺師の恋


―なんだろう?




不思議に思い、ステージにまた目をやった、ら。





―違う。




DJが入れ代わっている。



中堀さんじゃ、ない。




えええ。



ちょっと、ちょっと待ってよ。




なんで、どうして?





ひとりでパニックに陥っていると、ダンスフロアからの拍手喝采が聞こえる。




それはどうも、ステージから降りた中堀さんに贈られているようだ。





DJとかクラブについて、何の知識も持ち合わせていない私。




どうして、人が代わったのか分からない。





とにかく、受付のお兄さんの所に行って訊いてみよう。



あちこちから声を掛けられているような中堀さんを横目に、この会場の中じゃ、彼との接触は難しそうだと結論付けた。




暫く拍手はあったけれど、ダンスフロアの人たちはまたちらほらと踊りだす。





私はそれに背を向けて、お兄さんが出て行ったドアから外に出た。