詐欺師の恋

降りた場所は、ルナとは全く雰囲気が違っていた。



ルナが居酒屋やホストクラブの並び、どちらかといえば、近寄りがたい場所にあったのに対し、ここは落ち着いた佇まいのバーが沢山ある中に、紛れ込むように並んでいる。


クラブじゃないって言われれば、信じる。





入り口は煉瓦と温かい電灯が、高級感を醸し出している。…気がする。





名前は。






「れ、れべ、ど、じょー?」





読めません。




金色の文字で【Le lever du jour】と書いてあるけれど。




ま、いっか。後で中堀さんに訊けば。



中堀さんの仕事している姿を見るのはこれで二度目になる。



実はずっと見たかった。



わくわくとドキドキで胸を弾ませながら、私は金色の取っ手を掴んだ。





「わわ」






未だに慣れない重低音。



でも、今日は何故だか心地よく感じる気がする。



入り口でも、会場の熱気が伝わってくるようだった。




「こんばんは、大変申し訳ないのですが、今夜はいっぱいで…」




受付のスーツを着たお兄さんが声を掛けてきて固まる私。