詐欺師の恋

窓の外は街路樹が続いていて、電飾でキラキラと輝いている。



ウィンドーショッピングが楽しめそうな路面店を、幾つも通り過ぎた。



もう、閉まってるけど。



そして、駅から10分程走った所で、車は停止した。





「さ、着いたわよー。私裏口に車回してくるから、花音はここから入って良いわよ。このパス、貸してあげるわ。」




メリッサはそう言うと、首にぶら提げていたパスケースを私に渡した。




「ありがとうございます。」




受け取ってみてみると、スタッフカードが入っていた。



一瞬、私のじゃないのに、本当にこれで入れるのかすごく不安になったが、もし無理だったらちゃんとお金を払って入ろうと思い直した。




「荷物置いといて良いわよ。正面から入ったら邪魔でしょ。スタッフルームに運んどいてあげる。財布とか貴重品だけ持ってって」




「あ、はい。本当にありがとうございます。」




メリッサの気遣いに思わずじーんとする。




「ん、良いわね。その反応は、goodよ」





メリッサは満足気にそう言うと、親指を立てて見せた。




それに私も笑って返し、もう一度お願いしますと言って車を降りる。




一気に寒さが戻ってきて、目が覚める思いだった。