詐欺師の恋

「…なんか、すみません。お忙しいでしょうに…」




できるだけ小さくなりながら私が謝ると、メリッサはクスクスと笑った。



「もうその話はオワリ。ホント、そーいうの日本気質なのね。一回決めたら気にしない、それからsorryじゃなくてthankyou、OK?」



「う、はい…」




益々縮こまるとメリッサは更に笑った。




「怒ってるんじゃないんだから、ね。いいじゃない、零が女の子の送迎してなんて言うの、初めてで逆に興味津々よ。」






「―え?」





「花音は零のガールフレンド?」





右折しながらメリッサが言った質問に、顔が熱くなったのがわかった。




夜で良かった。




メリッサにバレたら絶対何か言われそう。





「たっ、ただの…友…知り合い…?です…多分…」




しどろもどろの私の返答に、メリッサが片眉を上げたのが、バックミラーに映る。






「あら?そーお?おっかしいわねー。そんな他人みたいな人に親切する男じゃないわよ、零は。」





わかってる。


それは、私が一番わかってる、と思う。