詐欺師の恋





繁華街に戻ると、道の途中で5~6人の男達が屯(たむろ)しているのが目に入った。


その真ん中に居る柄の悪い男は、確か施設で一緒だった気がする。


年は一個上だったか。


今年出て行った筈だ。


名前は―、記憶になかった。


得に用もないので、空生はそのまま傍を通り過ぎようとした。


が。



「お、中堀じゃん」



相手が気付いたようで、名前を呼ばれる。



下品な金髪を鶏冠のように立てている男は、ゆらりと立ち上がって、へらへらと笑った。




「何?お前、髪黒くしてるわけ?へへっ、そーだよなぁ?金髪じゃぁ、仕事は見つからねぇーよなぁ?」



リーダー格なのだろう。


媚びるような笑いが、仲間の中に伝染する。



空生はただ黙って、その場から退こうとした。




「あぁ、忘れてたぜ。金髪の前にお前にはもっと大きな問題があったもんなぁ?」




男はそう言って、後ろから空生の肩を掴んだ。