詐欺師の恋

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今度のクラブは、中堀さんの家の最寄り駅よりも、二つ前の駅で降りる。



雪はこっちでは降っていなかった。



そっけない初メールで指定された駅のロータリーに出る頃には、時計の針は22時を回っていた。





「人、多…」





昼間と変わらないのではないかと思うほど人が多く、日本人はつくづく勤勉なんだなと感じる。




タクシーやバスがごった返している中で、送迎の車もちらほらと目に入るが。





「えーと」





一泊には充分な大きめのショルダーバックを背中の方に避けながら、コートのポケットに手を突っ込んだ。






「赤い、車…ナンバーはっと…」





再度携帯のメールを確認して、辺りを見回した。





「あ、あった…あれか…」






確かに、赤くて指定されたナンバー通りの車を降車スペースで発見。





だけど。




「クラブってそんなに儲かるのかな…」




ぶつぶつと独り言を呟きながら、そっちへ向かった。




詳しくないけど、わかる。



あれは日本のじゃない。