詐欺師の恋

「なんなのよぅ。」



階段を駆け上って玄関に入ると、腑に落ちない顔のまま呟く。




「中堀さんが、何に弱いって言うのよ…」




そう言った後で、ロングブーツの先に目を落とした。



結局。





タカの言いたいことは、半分もよくわからなかった。




中堀さんの、嘘の反対側は、からっぽってこと?





「でも…好きだもん。」





自然と口はとんがってくる。




どんな中堀さんだって、ちゃんと好きだよ。




何も無いなら、一緒に作る。





私は、中堀さんのことを、何も知らないけど。




中堀さんが意外と優しくて、負けず嫌いで寒がりだということは知っている。




「タカのばーか」




タカのことだって、きっと燈真のことだって、中堀さんは友達で居ることを望んでいるだろう。




わかってないのは、そっちの方だ。