詐欺師の恋

私は慌ててタカの後を追う。



公園を出ると、辺りは静まり返っていて、私が近所迷惑になっていることは容易く推測できた。



ボリュームを下げることを心の中で誓い、タカの隣に並ぶと。




「!!」



まだ、笑ってやがる。



タカがくっくっと肩を震わせている。




「べ、べつに、付き合ってるわけじゃないのでっ…その、わかってるんですけど…ちょっと前は色々あったといいますか…」




こそこそと言い訳がましく説明するが、逆効果らしく、益々タカの笑いは強くなっていくばかりだ。




直ぐ近くの私のアパートなんて、あっという間に着いてしまい、私はぶすくれたまま、タカがひらひらと手を振るのを睨みつけてから、階段に足を掛けた。







「…まぁ、カノンちゃんが思ってるよりずっと、空生は弱いってこと、かな。」






背後から聞こえたタカの声に振り返ると、タカは意味深な顔をしてにやりと笑っていた。





「それ、どういう…」




「何かあったら連絡してくれて構わないから。じゃ、おやすみー」





私の発言権を完璧無視して、タカはもう一度手を振って歩き出していく。




「もうっ!」




私は腹立ち紛れに階段を蹴った。