詐欺師の恋


「あれ…今日呼び出したのってあの日の話じゃ…」





私も頭の中に幾つものハテナを抱えながら、首を傾げる。





「あー…うん、まぁ、そうなんだけど。ちょっと話しておきたいことがあって。」




「…話したいこと?」




益々私は首をまげた。






「とりあえず…そこ、座ろっか」





タカはそう言うと、ブランコの周りを囲んでいる柵を指差した。







「あの日、空生には会って…うまく、いった?」





二人きりの公園に、風は吹いていない。




口を開けば、白い息が出て行く。



タカがくれたホットココアだけが、熱を提供してくれている。






「…うまく、と言って良いのかわかんないんですけど。とりあえずさよならにはなりませんでした。今でも会ってます。」





「…そう。」




少し距離を空けた隣に座るタカは、手にしている缶コーヒーを見つめている。




いつもおちゃらけたイメージだったタカが、ここまで口数が少ないのは初めてだ。



なんか、ドキドキする。



気に障ることしちゃったかな。