詐欺師の恋

「まぁ、牡蠣食べに行ったんだし?それなりに楽しそうだし、いいんじゃない?」



憲子が慰めにならない慰めを、棒読みで呟く。



当然、私の動揺が治まるわけもなく。




「ど、どど、どうして中堀さん、言ってくれなかったんだろう…」




「さぁね。でもこういうのって、普通女の方がわーわー騒ぐものじゃない?カレもそこらへん手玉にとって仕事してたんだから知らなかった訳は無いと思うけど…っていうか、外食行って気付かない?他にもテレビとか観て…わかんなかったの?」




憲子が心底呆れているのを見ると、絶対裕ちゃんと楽しく過ごしたに違いない。



私はと言えば、連日の寝不足が祟ってそれ所じゃなかったというかなんというか。



仕事も溜まってたし、忙しかったし。






「教えてくれればよかったのに…」




少し恨めしそうに、憲子を見ると、ばーか、と口パクで言われたのがわかる。





「付き合ってないって言うから気遣って訊けなかったに決まってるでしょ。」





あぁ。そうですよね。



っていうか、人のせいにしている辺り、私最低ですよね。



ほんと、落ち込む…