詐欺師の恋

年齢まで理想的ってすごい。



運命なんて、信じない私だけど。



やっぱり、これはもう運命だって考え直してもいいかな?





「…あんたは?」





自分の世界に浸って居た所を、中堀さんの声で引き戻される。





「―え?」





訊き返した私を、中堀さんの茶色い瞳が捉えたことで、心臓が大きく鳴り出した。





「…あんたの事は、教えてくれないの?」





「えっ」





顔がぼっと赤くなったのが、自分でわかる。




だって。



まさか、そんなこと。




訊いてもらえるなんて、思ってなかった。




ちょっと。



いや、かなり。



嬉しい。





「えっと!私は、ですね!まず!櫻田花音って言います!ちなみにサクラは難しい方の漢字で、ダは田んぼの田で、花音のカは簡単な方の花で、ノンは音って書きます!」





「…知ってる」





しまった。



そうだった。




中堀さんは、私の社員証を拾ったんだものね。