詐欺師の恋


私、みたいだ。




「いわゆる、最近で言いますような、イケメンとは言いませんが、、、経済面では抜群ですし、何より働く必要もないですし―」




空っぽなのに。




湿り気を帯びている。




だから、きっと。




いつでも、泣ける。




あぁ、でも。




優しい人なら、良いかなぁ。




こんな、私でも、良いと、言ってくれるかなぁ。






「―と、そろそろ時間ですね…」





錦が腕時計に目をやってから、ファイルをパタンと閉じ、鞄に仕舞う。





私はそれをぼんやりと視界に捉える。



あくまでも、クローズアップされているのは、庭の青。



はっきりと見えるのは、濡れた、青。





「―お連れ様がお出でになりました。」





部屋の外から、声が掛かった。





「どうぞ。」




錦さんが返事をした。




スッと、障子が開く、音がした。




それでも。



私の視線は窓の向こう。




だって、やっぱり、嫌なのと。



塞いだ想いが、暴れるの。