「俺等の世界には、貸すも貸さないもない。」
燈真の冷たい目は、いつから、だったのか。
いつから、そんなに冷たい目になったのか。
「……そ、、れでも…」
自分の手を、首元にある燈真の手に重ねると、ビクリとその手が震えた。
「あの、、時の中堀さんを、あなたが助けたのは…確かだから…」
緩んだ力によって、喉の押さえが少し楽になり、絞り出すような声が、通った。
「だから…感謝してるんです…」
元から何も持っていなかった中堀さんが、持っていた僅かなものも失って、壊されていくその時に。
「あなたが、良い友達とは言えなくても…あの時、中堀さんには、、あなたが必要で、、、正しくは無くても、、あなたが支えになっていたと、、思うんです。。。」
だからこそ。
中堀さんは、燈真との約束を、契約を、ずっと守っていた筈だから。
―あの子には、裏切りのない愛を教えてあげなければ。
私の脳裏には、いつか見つけた、お養父さんの手帳の中のある頁が、思い出されていた。
―それは、沢山愛された者の使命だ。
―決して、傷の舐め合いをさせてはいけない。


