詐欺師の恋

人目を避けるようにして、裏口から出た所で、停めておいた車に寄りかかっている人物を発見。





「…お前、なんでいんの。」






若干驚いていたが、不機嫌さを装って訊ねると。





「ライター忘れちゃったんだよねぇ……というわけで、火、貸してくんねぇ?」





崇がにやりと笑っていつかの台詞を吐いた。




「……吸えない癖に。」




「…バレてたか」




馬鹿にしたように笑う俺に崇が素直に頷く。





「カノンちゃん、、大丈夫なの?」




情報屋の崇のことだ。


昨晩の出来事といい、俺の暴れた原因を、全て知り尽くしているようだった。




「………大丈夫っぽい」




「会いに行けばいいのに。」





曖昧な答えに、崇が呆れたように呟いた。





「藤代、だっけ。あいつのことにも、燈真が絡んでたんだぜ。何言われたかしんねぇけどさ、もう、いいんじゃないの?」





ジャケットのポケットに手を突っ込み、目を伏せて無言でいる俺に、なおも崇が促す。



春らしい穏やかな日差しが、辺りを暖かく照らす。




それが、俺にとっては、眩しい。