詐欺師の恋


燈真の言う通りにして、沢山の人間を騙しても。



どれも皆上辺だけの俺しか、好きじゃない。



俺も、誰も好きじゃない。


好きになんか、ならない。




あの時の母親も、そうだった。



手に入りそうで、入らないものを追いかけて、結局そのまま消えることになって。




俺も、そう。



蜃気楼みたいなもんで。




生きてるように見えるけど、死んでる。



手に入りそうで、入らない。




俺の色は、生まれた時から決まってる。



それは変わらない。




だから、俺が辿る結末も、良いもんじゃない。



誰かに愛されたい、なんて、願うことだって、生まれた時から許されなかったんだ。



言葉をかけてもらうことすらも。





なのに。




「…あいつは…」




燈真を持ちあげる手に更に力を籠めて、視線をぐっと近づけた。





目に涙をいっぱい溜めて、懸命に言葉を紡ぐ、花音の姿がチラついた。





―あの鳥の色は、そのままで良いんです。





「自分が何かした、なんて、思ってすらいないよ。」