詐欺師の恋

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会社から離れるまで、私とタカは無言で足を動かしていた。



「…あの、、助けに来てくれて、ありがとうございました…」



その沈黙を振り払うかのように、私はお礼を述べた。



数歩先を歩くタカは、ちらりと振り返って、ふっと笑う。




「本当はアオに言うか迷ったんだけど。やっぱりミサキちゃんのことは、伏せておいた方が良い気がしてね。結局自分が原因でカノンちゃんを傷つけたと思うだろうし。まぁ、実際、そうなんだけど。」




「でも、燈真さんと藤代くんが繋がってるって、よくわかりましたね。今日会うってことも…」




そこまで言うと、タカはぴたりと立ち止まった。




「言ったでしょ?俺、顔が広いから。けど、間に合って良かったよ。あいつがどう思ってたか知らないけど、カノンちゃんを燈真に会わせでもしたら、今頃どうなってたかわからない。」



タカの話に、今更ながら私の身体が震える。




「で、カノンちゃんはどうするの?」



「どうするって…?」



「アオがどうして、カノンちゃんから離れたか、わかった今、どうするのって聞いてんの。」


答えをはぐらかすことを、許さないような物言いだった。