詐欺師の恋

「あいつから、羽根をもいでやる方法、教えてやろうか。」




目の前の男は、きっと詐欺師からの解放を意味していると勘違いしているだろうが。



実際は、その逆だ。



二度と、自由に空へと羽ばたかないように。



飛ぶことなんて、許されていないんだと思い知らせる為に。





「大丈夫、安心して。簡単な事だから。そうすればきっと、君の大事な人も守ることができる。」





男が過去から豹変した俺の態度を、怪しまない訳はないと思う。



だが、それ以上に、俺の誘いは魅力的だ。





「…どうして、急に?」




ややあって。



男は迷いかねているように地面を見つめてから、俺を見た。






あと一押しで簡単に俺を信用しそうな相手を前に、ちょろいものだと思わずにはいられなかった。







「俺も鬼じゃないからね。。まぁ人の子ってとこかな。それより、詳しいこと教えてよ。なんでこっちにきてるって思ったの?」



同盟の握手なんかしなくても、するすると中に入り込んで、自分の知りたいことだけを吸いとって利用してあげる。


この方法を、空生に教えたのは、俺だ。