========================
「うわ、とと…」
会社を出て直ぐに、春風が強めに駆け抜けたせいで、私の首に巻いていたストールが解かれる。
必死で掴もうとしたが、結局飛ばされ、街路樹の幹に引っかかった。
「あー、ツイてない」
走る気はとっくにないので、私は溜め息と共にとぼとぼと街路樹まで歩く。
「?」
そこへスーツの足が登場し、かがんだかと思うと、ストールを拾った。
「あ…」
誰かと思い、視線を上にあげると、飯山が立ってこちらを見ていた。
ぞくりと鳥肌が立ったのを感じる。
「コンバンワ。中堀とは相変わらず上手く行ってんの?それとも藤代に完璧に乗り換えた?」
飯山は手にしたストールを手首に巻きつけ、にやにやと笑った。
その向こうには、おぼろ月が光を放っている。
「うわ、とと…」
会社を出て直ぐに、春風が強めに駆け抜けたせいで、私の首に巻いていたストールが解かれる。
必死で掴もうとしたが、結局飛ばされ、街路樹の幹に引っかかった。
「あー、ツイてない」
走る気はとっくにないので、私は溜め息と共にとぼとぼと街路樹まで歩く。
「?」
そこへスーツの足が登場し、かがんだかと思うと、ストールを拾った。
「あ…」
誰かと思い、視線を上にあげると、飯山が立ってこちらを見ていた。
ぞくりと鳥肌が立ったのを感じる。
「コンバンワ。中堀とは相変わらず上手く行ってんの?それとも藤代に完璧に乗り換えた?」
飯山は手にしたストールを手首に巻きつけ、にやにやと笑った。
その向こうには、おぼろ月が光を放っている。


