詐欺師の恋

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翌日のランチタイム。






「ご注文をお伺い致します。」





最近流行りの雑穀米などを使用した健康志向の飲食店で、店のロゴが入ったエプロンを着た店員が、私達のテーブルの前に立つ。



女子に人気のあるこの店は、なるほどOLで混雑していた。






「私、日替わりの鶏唐ピリカラソースセット。小鉢はサラダで。」





向かいに座った憲子が、がっつり系を注文。




「えっと、じゃ、、私は梅とろろ昆布うどん、、単品でお願いします。」





「かしこまりました。」





店員ははきはきとした声で、注文内容を繰り返すと、奥へ引っ込んだ。



その後ろ姿を目で追う事無く、憲子が私の異変を指摘する。






「花音がうどんとか、珍しくない?どっか具合悪いの?」




「…胃の調子が、ちょっと、、ね。」





私は苦笑いで返し、それより、と憲子にしっかりと向き直る。





そして、左手の薬指を指差した。





そこには、小ぶりで上品なダイヤがくっついている。