詐欺師の恋


~♪





ルームウェアに着替えて、お湯を沸かしていると、携帯が鳴り出した。





「げ…」





慌てて表示を確認すると、実家の電話番号が表示されている。




嫌な予感しか、しない。





「………もしもし。」





迷った挙句、出ることにした。




《何!あんた、その嫌そうな声!》




同時に、母の大きな声が、私の鼓膜を突き破りそうな勢いで届く。




「別に…何か、用事??」




携帯を耳に当てながら、椅子に座った。




《用事も用事、大用事よ!あとはあんただけになったからね!!!》




―え?




余りに唐突過ぎる母の説明不足な台詞に頭が真っ白になる。




「どういうこと?」




無意識に眉間に皺を寄せながら訊くと。





《結婚相手に決まってるでしょう!お姉ちゃんもお兄ちゃんも連れてきておばあちゃんからOKもらってるわ。残るはあんただけ!よ。おばあちゃんなんか、花音にはそんな相手居ないだろうって決め付けてて、お見合い相手探しに写真を片っ端から見てるらしいわよ!》






早口で捲し立てる母と、驚きで口が利けない私。