詐欺師の恋

カノンちゃんについては、ぶっちゃけた話、最初は他の女と同じだと思っていた。




男慣れした感じで、気軽に楽しめるような、相手だと思っていた。



それは多分、向こうだって同じだったんじゃないかな。




興味が湧いたのは、空生が俺から奪ったから。



折角の獲物を横取りされたって別に構わないけど。



その相手が、なんてったって、空生だったわけだから、そりゃ驚く。




まして、本名まで教えてる、なんて。



確かにカノンちゃんは可愛いし、ほんの悪戯心、出来心でいじると、顔を真っ赤にする。


鞄でぶったたかれるとか、初体験だったし。


度肝を抜かれることばかりだったな。



でも、空生が惹かれる理由も、よくわかった。




俺も、燈真も、空生も、ここにいる誰も持っていないものを、カノンちゃんは持ってるから。



そして、その真っ直ぐさは、昔の誰かを思い出すような気がして。




俺もその面影に、惹かれていた。