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ふー、と疲れたような溜め息に、彷徨っていた思考が呼び戻された。
顔を上げて見ると、空生が浮かない顔をしてカウンターの端に座った所だった。
空生とカノンちゃんの間に何かあって、2人が離れてしまってから。
空生はこっちに帰って来たわけじゃないけど、こうしてたまにふらりとルナに顔を出す。
本業を再開していることは確かだったが、余り上手くいっていない様子だった。
問題は、恐らく。
空生自身が、カノンちゃん以外を受け付けなくなってしまっているということだ。
「なんだよ、たまに顔見せたかと思ったらそんな端っこでしょぼくれててよぉ。どうしたんだよぉー?」
おどけながら、酒瓶を片手に空生の隣に行くと、空生は俺を見てにやっと笑った。
「そういう崇こそ、珍しいじゃん。一人酒なんて。」
「俺だって、たまーに考え事をすることだってあるの!」
「…へぇ、例えば?」
「こないだ偶然外で会った人が、前から知ってるような気がするんだよなーとか!」
馬鹿にしたように片眉を上げる空生に、俺はえっへんと胸を張って答えた。
「何それ。」
呆れた、と呟くと、空生は燈真から出されたソルティードッグを受け取る。


