詐欺師の恋




「・・・・・・・」




ぐっと押し黙った俺を、空生はふっと笑った。




「崇は、嘘が下手くそだよね。」





茶色から金色に戻った髪がさらさらと冷たい風に吹かれて揺れる。


お互いの吐く息は、白い。


アルコールのせいで、寒さはそんなに感じないけれど。





「なんだよ、それ」




同じように、俺も笑った。


だが。





「美咲のこと、気に入ってたでしょ。」



「!」




さらりと落とされた真実に、一瞬息が詰まる。




「…んなわけあるか。」




なんとか平静を保つが、空生には全部お見通しなようで。




「そう?」





けれど、それ以上は追求しない。






「じゃ、またね、崇。」




やがてそう言って、空生は俺に背を向けた。




そして。





「-あの時だって。」





振り返らないまま、直ぐの所で、思い出したかのように呟く。






「崇が煙草が吸えないってこと、バレてたよ。」




「-え。」




驚く俺の言葉に反応することなく、空生は再び歩き始めた。





「なんだよ、かっこつけやがって。」




その後ろ姿に毒吐きながら、俺は力なく壁に寄りかかる。