詐欺師の恋

========================




ミサキという名前の女は、直ぐに頻繁に顔を出すようになった。




「ちょっと、何なのよ、あの女は。」



納品だけを担当するようになっていた葉月は、モノを燈真に渡すと、一番ステージ側のスツールに座るミサキを後ろから睨みつける。




「んー?まぁ、気にすんなよ。」




闘争心剥き出しのギラギラした妹を見もせずに、燈真は適当な相槌を打つ。




空生に異常に執着するようになっていた葉月は、空生の周囲にはびこる女たちを全て敵視していた。


といっても、その葉月すら、空生の名前を知ることは無く。


アオの名は、俺と燈真の間でもタブーになっていた。





「ちょっと!!ちゃんと教えてよ!!」



葉月は、空生の本業を知らない。


だが、俺と同じで鼻の利く奴だから、なんとなくはわかるらしい。


だから、いつもの種類の女なら、ここまではしつこくしない。


空生が嫌がることを知っているからだ。




「大丈夫だって、葉月。相手にゃされねー人種だからよ。」




安心させるように俺が言うと、葉月は今度は俺をぎっと睨みつけ。



「うっさいニワトリ!」



と毒吐いて、怒りを露わにしたまま、クラブを出て行った。