「もう一人の…金…髪の、、人…は…、これから…どこに行くんですか…」
ぽつりと漏らされた言葉。
俯きがちな視線。
空生と一緒に居ると、何度となくこういう女に出逢う。
この子も、空生の餌食になるのか。
にしたって、ちょっと今までにないタイプ、だな。
金はあるようだけど、学生だし。
強気で、一直線で、面倒そうな女、だ。
空生はきっと相手にはしないだろうな。
かわいそうに。
でもま、俺なら。
相手にしてあげても良いよ。
「ルナだよ。」
にっこりと微笑んで、俺は笑いかける。
「Notte di Lunaで、こいつはDJやってるよ。でも、今だけ、だから。早くこないとその内また居なくなっちゃうよ」
そう言って、勝手に作った零の名が印字されたクラブのカードを、胸ポケットから出して差し出した。
「えっ、あっ…」
慌てたように俺の腕を解放した女1は、両手でカードを受け取る。
「じゃねぇ」
その隙を逃す事無く、俺はくるりと踵を返すと、手をひらひらと振って、見てるか見てないかわからない女二人に別れを告げた。
今の空生の役は、何なんだろう。
ターゲットは、居るのかな。
そんなことを、考えながら。


