詐欺師の恋

「本当にどうしようもなかったので、助かりました…」



戸惑う俺をそのままに、奥で女2がしょぼくれた感じで、謝罪した。



俺の腕をひっぱって放さない女1の方がしっかりした印象を受ける。



「わた…私が、、無理やり美咲を連れて来ちゃったから…巻き込んじゃって…ごめんなさい…」



「それはもういいってば…」



…俺、もう行ってもいいのかな。



女二人の会話にうんざりモードな俺。


面倒臭い。



そろっと、空生の行った方へ目をやる。



当たり前だけど居ないし。




気付かれないように溜め息を吐いて。




「これからはもっと気をつけなよ。で、俺、もう行って良い?用があるんだ。」




基本、女の子は皆可愛いから、無下に扱うことはしない俺。


やんわりと腕を外そうとすると。




「あの人はっ?!」



何故か、掴む力が強くなった。



黒目がちなショートカットの女1が、女2から視線を戻し、俺を見つめる。




「あの人って―?」



訊き返すと、今度は女の頬にさっと赤みがかかる。



北風のせいではないことは、分かりきっていた。