そんな奴等の動向になんか目もくれず、空生は何事もなかったかのように歩き出す。
「あんだよ、どんな知り合いだよ、教えろよ。」
訊ねる俺に、空生は笑いもせず、どんどん歩いて行ってしまう。
訊かれたくないことなのか、と察した俺は、仕方なく追及を諦めて、後を追う。
そこへ。
「あのっ」
唐突に、腕をぐぃっと引っ張られた。
「?」
驚いて振り返ると、さっき絡まれていた女の内の一人が、俺の腕の裾を必死な顔をして引っ張っている。
冬には寒そうな、茶色のショートカット。
エルメスのマフラーをくるくると巻いて。
「え?いや、あの?え?」
俺はその女とスタスタ歩いて行ってしまう空生を交互に見比べるが。
「あ、あ、あのっ!!さっきは、、助けていただいてありがとうございました!!!」
がばりと勢い良く頭を下げた女1と女2。
「えーーー…っと…?」
俺はどうしたらいいのかな?
正確に言えば、俺等は助けようなんてこれっぽっちも思ってないし。
こんな時間に、こんな場所をうろついていたお嬢ちゃん達にも非がある訳だし。
ただ、話しかけただけ。
それが、事実だ。
しかも、俺じゃないし。


