詐欺師の恋



―安っぽい、キンパ。似合ってねぇし。



空生みたいにキレイな色じゃない上、鶏冠みたいに立ててるのが、俺とちょっとかぶってて、イラつく。



絡まれている女二人は、大学生位か。


こんな汚らしい場所には不釣合いな清楚な格好。



両方とも、肩に手を回されて、今にもどこかへ連れて行かれそうだ。


ご愁傷様。


心の内でそう思うけど、空生はキンパをじっと注視している。




「なぁ…」




急がないと、と口を開きかけた瞬間。



キンパが、こちらを振り返った。





瞬間、キンパの目が驚いたように見開かれ―





「お前等、まだそんなことやってんの?」





隣で空生が、嘲笑うかのように声を掛けた。






「お前、、、帰って来たのか…」




驚いたようなリーダーの声に、女を取り囲んでいた男たちも何だ何だと俺等を振り返った。



途端に、わかり易く表情が引き攣った。




「チッ」




暫く睨みつけた後、キンパは舌打ちすると、手下の男共に目配せして、女達から手を放し、その場を後にした。