詐欺師の恋


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直ぐに周ってきた月曜日。




「なんで、タカがここに居るんだよ?」




受付兼徴収係りの恰幅の良いスタッフが、入り口に突っ立っている俺を怪訝な目で見て訴える。





「んー、ちょっとヒトを待っててね。」



「さては、女か?」




それには答えずに俺は曖昧に笑う。




「残念だけど、そんな赤い頭じゃ誰も寄ってこないし、逆に客が帰っちまうよ。」




何がそんなに面白いのか、くくくと笑うのを、俺は横目で見て。




「いや…それはお前だろ。」





ゴツい身体付きに、強面。


ゴリラみたいなぎょろりとした目。




「何言ってんだよ、俺は燈真の次に優男な顔してんぜ。」




本気で思っているのか疑いたくなったが、これ以上追求するのもなんとなく怖い。




「…わかったよ、外、出る。」




携帯を取り出して見れば、時刻はとっくに零時を過ぎていた。




―おかしいな。トキコのせいで来るのが嫌になったのか?



先週、公衆の面前で顔面にアルコールをぶっかけられたのが相当ショックだったのか、今日トキコはルナに来ていない。


それはわかるが、あの男が来なくなる理由はない。


トキコに悪くて顔を合わせづらい、と考えているとも思えない。



―腹でも壊してんのかな。



我ながらガキかと思う位の幼稚な理由だが。



気になって、仕方なく繁華街をブラつきがてら、いないか探してみることにする。


本当は暑いから、ルナの中に居たいんだけど。