詐欺師の恋


誰かのことを、羨ましいとか。


そういう風に思ったことは今までなかった。





他と自分が違うことなんて、痛いくらいに理解していた。



誰かと同じ、なんて、逆に嫌だった。




同じじゃないから、こんなに苦労したのに。


どうして、大きくなったら、同じでなければならない?



俺は、俺。


他人(ヒト)は、他人(ヒト)。




だから。




純粋に人間ていうものに興味を持って、中堀という男のことを知りたいと思ったこと自体、俺にとって稀な体験だった。





素性は明らかで、余りに少ないその情報は集めるのに1日で十分だった程だ。



ただ、性格や気質なんかは謎だった。



喧嘩に強いことも、分かっていたけれど、どんな人間かっていうと、聞き込んでも全くと言って良いほど、わからなかった。




後はどうやって、実際に近づくか。。




燈真が具体的に何を考えているかはわからないけど、指示はとりあえず取り込むこと。あとは利用できる時にしようということらしい。



クラブにとっても客寄せに繋がるだろうとのことだった。




ぶっちゃけた話、俺は直ぐにそんなのどうでもよくなって。




ただ単に、あの金髪と話してみたくなった。