詐欺師の恋




―めんどくさ。




思いつつも、燈真がそうしろって言うんだから、何か理由があるに違いない。


その意図を知るには、本人に会えってことか。



どっちにしろ、断る権利はないということを、俺は知っている。




「わかったよ。」




俺ははっきりとやりたくないって気持ちを前面に出して、頷いた。


それでも、燈真は満足気に笑う。




「で、こないだ頼んでおいたのは、どうなった?」





少し潜めた声は、仕事の報告を促している。



俺はおもむろに小さく折りたたんだ紙をポケットから出して、燈真に渡した。






「…さすが崇だね、これだけわかれば上等だよ。助かった。」




それを広げて見た燈真は人の良さそうな顔をして、にこりと笑った。


人呼んで…いや、俺だけは、これを悪魔の笑みと呼んでいる。




それをチラリと見てから、無言で空になったグラスに、3杯目を注いだ。






―こういう世界で生きていくには、色々と要り用なことがある。





俺はその橋渡し的な存在。




つまりは。




情報屋だった。