詐欺師の恋

「がっかりだよ…」



黙り込んだ私に、タカの憂いを帯びた声が降りかかる。



「俺、言ったよね?覚悟が必要だって。空生はカノンちゃんが思ってるよりずっと…弱いんだって。」




俯いたまま、思う。


覚えてるよって。




「空生が、たとえ離れても、カノンちゃんが離れたら、駄目なんだよ…」




言いながら、タカは小さく溜め息を吐いた。




「…じゃ、どうすればよかったんですか…」




みるみるうちに、私の目に涙が溜まり、視界がぼやけていく。



車内は暖房がガンガンに効いていて、暖かい。



けど、私の記憶はまた、あの寒い雪交じりの雨の日に連れ戻される。




―『俺が、あんたを本気で好きになるとか、思ってたわけ?』




「す、、好きじゃないって…必要、、ないって言われて…」




必要、ない。



声に出して言うと、苦しくて息が吸えないほど、胸が痛んだ。



あの時傷ついた自分。


今も傷ついてる自分。



その記憶と、痛みに顔を顰めていると。





「カノンちゃん。」




やけにはっきりとタカが私の名前を呼んだ。




「空生の嘘とホントの見分け方、知ってる?」




「-え?」




予想していなかったタカの言葉に、弾かれたように顔を上げた。