詐欺師の恋


「-え?」


驚いてはっと振り返ると、タカが真っ直ぐに私を見ていた。



「だから、さっきの、誰?」



その中に含まれている、少しの怒りのようなものを感じ取った私は、タカのとった行動の意味に薄々気付き始める。




もしかして。



嫌な汗が、全身に纏いつく。




「会社、の、同僚です…」




無意識に、膝の上に置いた手を、ぎゅっと握り締めていた。





「あいつと付き合ってんの?」




私はふるふると首を振った。




「キスするような仲なのに?」





「!」






やっぱり。




見られてたんだ。



カッと、顔が熱くなった。




薄暗い車内でも、タカの目に、失望の色がありありと浮かんでいるのがわかる。





タカと最後に会った夜。



中堀さんの話をした。



それ以来の、再会。




まさか、こんな形でそうなるとは。