詐欺師の恋

テーブル席に腰を落ち着け、藤代くんとは向かい合わせになった。


オープンキッチンになっており、店主らしき人が忙しなく行ったり来たりを繰り返していた。



そこから美味しそうな匂いは店内中に広がっており、最早私のお腹は鳴りっぱなし。



「何、飲む?」



きょろきょろしている私に、藤代くんはそう言って、メニューを差し出してくれる。




「えっと、、お酒は、あんまり詳しくないから…おススメ、とか、ある?」




メニュー一覧を見ても、よくわからない私は、一番賢い方法を選んだ。




「じゃ、適当に頼むね。ここのポテサラと、鴨のコンフィは絶品。あとワインはフィリップパカレにしようかな。」



予想通り藤代くんはすらすらと美味しそうなものを教えてくれ、通りがかった店員さんに注文を伝えている。



そのやりとりの最中、私は違う意味で緊張しながら、藤代くんを見つめていた。



結局一緒に食事に来てしまったが。



自分は、寂しい時と、お酒を飲んだ時、きっと誰かに甘えてしまう。


もしかしたら、くだを巻いてしまうかもしれないし、泣き上戸になって中堀さんのことを愚痴ってしまうかもしれない。



だから、加減して飲まなければ、と。