詐欺師の恋

「え…」



「とはいっても、血は、繋がっていませんがね…あの子、元気でしたか?」




思わず口から驚きの声が出てしまったが、老人は構う事無く問いかける。




悔しい。


憎い。


辛い。


痛い。



そんなドロドロした感情を持て余し、ここまで来たのに。



何年も連絡すら取っていないのではないかと窺わせる老人の態度に、拍子抜けしたような、不思議な気持ちだった。




全部ぶつけて。



あんたの息子のせいで、と。



ふざけんな。ちくしょう、と。



居場所を教えろ!って。






ぶん殴ってやろうと思っていたのに。






あの男の話をする老人の目は、何とも言えず、優しくて。





無性に泣きたくなった。



そんな俺に気づかないまま、老人は俺を見る。







「あの…もしも…あの子に会ったら、、伝えてくれませんか。少しくらい、顔を見せて欲しいって。それから―」