「何か、御用ですか?」
すぐ近くで声がした。
「?」
声の主を探そうと辺りを見回すと、入り口脇にある植え込みに、体格の良い、帽子を被った老人が、しゃがみこんだまま、俺を見上げていた。
「あ、はい。。あの、、、施設長に、お会いしたくて…」
人の良さそうな笑みを浮かべる老人に、心の準備など皆無で来た俺は、しどろもどろに答える。
「そうでしたか…施設長なら、今そこで子供たちとドッジボールをしていますが…」
そう言って、老人が見た先を辿ると、予想よりも若い男がジャージを来て子供たちと戯れていた。
―若すぎる。
俺は首を傾げた。
そしてはたと気付く。
―そういえば。あいつ等が子供だった時に施設長だった男なわけだから、今は違うってこともあるのか?
怪訝な顔をしている俺に、老人が首を傾げたので、慌てて俺は御礼を言って、とりあえず施設長に確認してみようと、ドッジボールの最中の男に駆け寄った。
「?何か、御用ですか?」
少し手前で施設長は俺に気付き、近づいてきて訊ねる。
警戒心がありありと表情に表れていた。
後ろに居る子供たちも不安げに俺を見上げている。


