詐欺師の恋








―は?



頭が、真っ白になった。




美咲が?


詐欺?





「表向き、DJやってる非道な男に利用されてんだぜ?」



男は淡々と喋り続けながら、おもむろに煙草に火を着けた。


DJというワードに、俺はピクリと反応する。




「あいつにとって、女は食いもん以外の何者でもねぇからな。」



「なんでそんなこと…知って…」



「俺とあいつは直ぐそこの施設で育ってるから知ってんだよ。あいつは一応施設長の息子、になってっけどな」



何がそんなにおかしいのか、男は呆然とする俺を見て、くっくと笑った。




「早く助けてやんなよ、おにーちゃん。それで被害届出してくんねぇ?」




「・・・・・」





どうして、この男が、こんな情報を俺に流すのか、意図が掴めず眉間に皺が寄った。



それが相手に伝わったのか。





「俺にとって、あいつは邪魔なんでね。」




吐き捨てるように男はそう言って、今度こそ俺に背を向けた。




俺は、その背中を呆然と見ながら。





―『道端にちょっと柄の悪い人たちが居て…』



―『そしたら、『お前帰って来たのか』って、言った後、その人驚いた顔してたんだけど、直ぐに舌打ちしていなくなったの。