詐欺師の恋






―ガチャ。



真夜中。



こっそりと開いたドアノブの前で、俺は仁王立ちしていた。




「!!きゃっ!!」



そんな俺に驚いた美咲が、後ろに仰け反る。




「お、お兄ちゃん…。」



「遅かったな。ちょっと話がある。」




言いながら、俺は二階を指した。



「……」



美咲は何も言わずに、俺の後に続いた。



キシ、キシと、階段を踏む音が暗闇にやけに響く。





俺の部屋に入り、回転椅子に座ると、美咲は入り口で所在無さげに立ち尽くしていた。





「単刀直入に訊くけど。叔父さんがこっち来てたってホント?」




蛍光灯の下で、美咲の背中がぎくりと震えたのが分かった。




「な、な、何。。。それ」




努めて平常心を保とうしているようだが、動揺しているのは明らかだった。




「本当なら俺、母さんに言って叔父さんに連絡させなきゃなんねぇんだけど。」



「っ、やめて…っ」




我ながら意地悪だなと思いつつ、他に方法が思い当たらなかった。