詐欺師の恋

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「まだ、飲むのかよ。」



「じゃ、次はボーリング行くかー!?」




久々に大学の友達と会って、飲み屋をはしごしていた俺は、前方から来た人間につい立ち止まってしまう。




―あれ?





「彰仁!ほらほら、次行くぞー!!」





すれ違い様にチラリと見た男は、煌びやかな女を連れて笑顔で歩いていた。





「わりぃ、先行ってて。」


「はぁ?!」



不思議そうな顔をする友達に、俺はそれだけ言い残して、踵を返す。




数歩先を行くカップル、に見える二人組み。


男の方の髪色は茶色。




―ホスト、みてぇ。




俺は首を傾げながら、ゆっくりと後を尾ける。


どうも、二人がこれから向かうのは高級ホテル方面のようだ。




―見間違いかな。





クラブで見た時は、誰も寄せ付けないような、そんなオーラがあったし、美咲の話から考えても、笑顔を無駄に売る男じゃない筈だ。




なのに。



今俺の目の前に居る男は、にこやかに、へらへらと、そう…まるでホストみたいに振舞っている。



楽しそうに弾む会話は、テンポが良い。