詐欺師の恋

「それでも、いいの…」



「みさ…」



「私、あの人の役に立ちたい。」




どうして、人は人を好きになるのか。



どうして、何もかも捨てられるのか。



美咲の真っ直ぐでブレない瞳の中に宿るものは一体何なんだろう。




「役にって…あいつに利用されてんのか…?」




信じられないような面持ちで問うが。



美咲はただ笑って首を振った。




その笑顔が。



何とも言えず幸せそうで。


美咲の意志の強さが、ひしひしと伝わってきて。




俺は二の句を告げなかった。




それでも、まだ。



時間が経てば、熱も冷めるだろうと、勝手に俺は思い込んでいて。



小さい頃、おままごとに熱中する美咲に付き合ってやった時と同じような、半ば呆れた気持ちで美咲を見つめていた。





「…ほとぼり冷めたら、ちゃんと父さんと母さんに話せよ。」





それだけ言うので、精一杯だった。