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「―で?」
真冬の夜空は、数こそ少ないけれど、都会でも星がきれいに見える。
呼び込みの男や客引きの女を避けるように、俺と美咲は道路を並んで歩いた。
「でって・・・?」
クラブを出てから、美咲はずっと俯いている。
赤い髪の男が『レイ』と呼んだDJの出番は、朝までのこともあるらしいのだが、今晩は短めだった。
それが気分を害したようで。
他の客同様、美咲も仏頂面だった。
「だから、大学辞めたってマジ?」
「・・・・」
さっきから幾度となく同じ展開だ。
美咲は肯定も否定もせず、ただ黙って唇を噛むだけなのだ。
―いい加減苛々してくる。
「それで、あの男のために貢いでるって訳?」
「ち、違う!!学費は使ってない…」
慌てて否定した美咲の答えは、大学を辞めたことを示していた。
―本当だったのか…
自分が内心がっかりしているのを感じて、美咲が大学を辞めたなんてただの噂であってほしいと願っていたことに気付く。
「それに…あの人はそんな人じゃ、、ない…」
弱々しい声なのに、どこか確信を持って、男を庇うような発言をする美咲に苛立ちが増す。
「-いつから?」
自然と、声が低くなった。


