詐欺師の恋

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翌日。




「何、迷ってんの?」



夜景の見える休憩スペースで、自販機を前に逡巡していると、背後から声が掛かった。



はっとして振り返った先では、藤代くんが入り口に寄っかかってこちらを見ていた。




「う、いや…」




―いつから、見られてたんだろう。




迷う理由を正直に答えることが躊躇われ、私は笑って誤魔化そうとした。



いつもなら、真っ先にミルクティーを押すのだが。



中堀さんとの思い出の中に、ミルクティーが登場するから。



もういい加減にしなよって、憲子にまた怒られそうだけど、飲んだらまだ涙が出てしまうような気がして。




だけど、飲みたいのはミルクティー。




そんな風にして迷っている内に、藤代くんに見つかってしまったのだ。








「迷ってるなら―」




バン!





「え!?」




突然、藤代くんが自販機のスイッチを叩いた。




「おススメ」




ガコン、と情けない音を立てて出てきたのは、豆乳ラテ。蜜入り。





「ひどい…」





無駄に明るい缶のパッケージを見つめ、私は信じられないような気持ちになる。