詐欺師の恋



「噂、、流したの、、飯山だったみたいで。。彼、中堀さんのこと、知ってて…。私、つ、都合の良い女じゃなくちゃ、駄目だって言われて、連れていかれそうになって…」





「なにそれ…聞いてない…」




憲子が、愕然としたように呟いた。





「そこに、、藤、代くんが、ちょうど、きてくれて、、助けてくれて…。一緒に歩道橋の下まで来て…こ、告白されて…」




手が、震える。





「!?何でそれもっと早くに言わないの?」




少しだけ、憲子に怒りの色が見える。





「なんか、言いづらくて…」




私は再び俯いて、唇を噛んだ。





「言いづらいって……」





「それで電話、、、取れなかったから。」





膝の上に置いた手を、ぎゅう、と掌に爪が食い込むくらいに強く握る。






「電話?」





「中堀さんからの、、電話…。だから…なんか、罰が当たったのかなって。」





「だって、それ花音悪くない…」





どこで掛け違えたか分からないボタン。



そもそも最初からそんなもの存在しなかった。




頭ではわかっていた。





「わかってる。。でも、なんか、、あの日が、いろんなことの境だった気がして」




思い出すのが、辛い。