詐欺師の恋

言いたいことも、伝えたいことも、沢山あった。



その小さな身体を抱き寄せて、閉じ込めて、確かめたかった。






だけど、俺にそんな資格はない。





皮肉だけど。



今回は。



今回だけは、あの女のせいじゃないんだ。





俺が自分自身で蒔いた種で。



あの時、あの薄暗い部屋で。


自分を守るために選んだ道が。


あの女に復讐する為の術が。


一番欲しい物を奪う。


一番大事なものを傷つける。



復讐が、自分に返ってくる。






ねぇ。



もしも。



もう少し早く出逢えていたら、何か変わってたかな?




あの頃、あんたと逢えてたら、今とは違う結末があった?





けど。




あんたと逢えたのは、俺の嘘が始まりだったんだよ。






なぁ。



最後の。





あんたのために吐いた嘘だけは、、赦されるかな。








あの嘘と引き換えに。











俺はもう二度と、あんたの名前を呼ばないから。