詐欺師の恋

「なっ、中堀さんが前言ってたけど、キスに意味はないらしいよっ!?」




今にも首を絞めそうな勢いの憲子を宥めるも。




「ぐっ!?」




「あんだ?あの馬鹿男!!!!ふざけるなっ!!」




逆効果か。


苦しいーー!




そこへ、近づく足音とドアノブを回す音がする。





ガチャ




「……おはよう…?貴女達、、何やってるの?」





更衣室に入って来た椿井が、怪訝な顔で私達を見つめた。





「…え、えと…何って…肩を組んでるんです!肩を!」




「そ、そうです!仲良いので私達!たまにこういう風にスキンシップをですね…」



私と憲子はさっきまで首を絞める側と絞められる側だったのが、今は肩をがっちりお互いに組んで、へらへらと笑っていた。






「………着替えが済んだなら、早く出て行って頂戴。」




椿井は引き攣った顔を隠す事無く、ドアの方を指差したので、私達は素直に変事をして、そそくさと更衣室を後にした。