詐欺師の恋




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翌日。






いくつもの不在着信と、謝罪のメールが送られてきたけれど。





なんか、もう。




どうすることもできなくて。





家にも帰らず。





ただただ、仕事に没頭した。






何もしない時間がないように、クラブに入り浸って。





時間が空いてしまうと、ふと、声が聴きたい衝動に駆られるから。




何かをきっかけに、思い出してしまうから。





何も考えないようにして。





時間が勝手に流れていくのを、黙って見ていた。





何度も何度も何度も、連絡は入ってきたけど。






気付かないフリをして。




その内、端末の電源が勝手に切れたから、そのままにした。





子供染みてるし。




逃げだってことは、わかってた。




だけど、向き合えば―。





顔を合わせてしまったら。




きっと。





笑顔には、させてあげられないから。