詐欺師の恋

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翌朝の土曜日。





《…はい》





明らかに眠たそうな、中堀さんの声が、携帯を通して耳に届く。





「あっ、おは、おはようございますっ!!あのっ、昨日はごめんなさいっ、私早くに眠ってしまって…」




私は、ベットの上に正座しながら、思い切り頭を下げた。




只今の時刻、am7:22。



色々考えて結局よく眠れなかった。





《あー、もう、いいよ。具合でも悪かったの?》




中堀さんの反応が悪いものではなかったので、私は聞こえないように隠れて安堵の息を吐く。





「ちょっと風邪気味で…咳だけなんですけどね。」





《忙しいの?最近。》





「…はい、一応決算期が近づいてるので…空生、、さんこそ、風邪はいかがですか?」





《ふっ…まぁまぁ、かな。》






今、笑った。



明らかに、ふって、笑った。


だって、仕方ないじゃん。敬語なのに、名前だけ呼び捨てとかできないし!



恥ずかしいし!





「何ですか、それ。それじゃ心配です」




中堀さんに見えないのは重々承知しているのだけれど、口を尖らせて言えば。





《心配、して。花音。》




「!!!」


顔を真っ赤にさせられた。