詐欺師の恋

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引かれる手が、熱い。



私の頭は、パンク寸前。




「ふじっ…藤代っくんっ、ちょ、ちょっと待って…」




藤代くんが歩くのが速いわけじゃない。



だけど、さっきの飯山との会話が。


動悸を激しくしている。




なのに、藤代くんは前を向いたまま、どんどん歩く。





「ふじ…しろっ、くんっ…ってば!っおわっ」





もう一度呼びかけると、今度は突然止まった。



おかげでちょっと転びそうになって、振り返った藤代くんが支えてくれる。





「あ、ありがと…」




「悔しくないの?」





ちょうど、歩道橋の下。



いつかの、曲がり角、だった。



藤代くんに両腕を掴まれた状態で、挑むような目で、見つめられた。




少し、怒っているようにも見える。





「あんな風に言われて、悔しくないの?」





何も答えない私に、藤代くんはもう一度繰り返す。





「……自業自得、、、だから…」




強い視線に、耐えることなどできずに、俯く。




「ちゃんと、見て。」




なのに、腕を引っ張られて、顔を下げることを許してもらえない。